参考図書⑪小説家の経営術

今回紹介する本は、西川三郎氏の「小説家の経営術」です。
2009年発刊と少し古い本ですが、私はブックオフで出会いました。
先行きが見えない時代、経営者に必要な「小説家的想像力」とは何かについて書かれています。
解説を見ると、次のように紹介されています。社員や顧客を幸せにし、永続的に発展し続ける経営に必要な5つの視点「テーマ」「独自性」「起承転結」「想像力」「人材育成」を、著者の実体験に基づく方法論で解説。一見相反する「ビジネス」と「小説」の共通点から見えてくる“人と企業”のストーリーの本質に迫る、だそうです。
QMS経営研究所が目指す、クオリティの高い組織の実現とそこで働く人々の人生のクオリティ向上に相通ずる内容ではないかと思います。
日々の売り上げや利益の確保にご苦労されている経営者の方からすると、そんな夢物語みたいなことを、と感じられるかもしれませんが、たまには日常から離れて「構想」してみてはいかがでしょうか。
私が気に入った内容の一部を紹介しますので、少しでも引っ掛かりを覚えた方はぜひ一度手に取ってみてください。

ストーリー経営、社員やクライアントに共感してもらえるテーマを設定し、それをぶらすことなく、企業に関わる全員がカタルシスを得られるエンディングを設定し、そこに向けてストーリーを描いてゆく。

●経営者には、小説家的な視点が求められる。小説は「情」の世界のように見えて、実は「理」の世界である。小説家はエンディングに向かって、舞台や登場人物の設定、エピソードのちりばめ方、それをまとめる全体の構成とそれに伴うリアリティなど、これら一つひとつの細かい作業を積み重ねてゆかなければならない。優れた経営者は結末からストーリーを描く。ストーリーのない経営に未来はない。

企業にとって最も重要なのはテーマである。テーマとは、生きる姿勢の投影に他ならない。企業の舵取りを行う経営者はテーマがぶれていないか、常に自己とむきあって、それをチェックする労力を惜しんではならない。

    ●すべての人は幸せな人生を送りたいと願っている。経営者は自社に係わるすべての人々が最終的に幸せであったと思えるようにストーリーを描くべきである

    すばらしい小説は、「台詞が天から降ってくる」、登場人物が自分の台詞を作家に書かせる。同様に、企業では逐一指示を出さなくとも、社員が自ら考え、率先して働き出すようになるのが理想。

    人の心を動かすには、自らが「ストーリーテラー」でなくてはならない。単にビジョンを社員に伝えるだけではなく、どのような表現で伝えれば理解され、共感とともに共有され、確実に実行に移されるかまでを考え、それに基づいてストーリーを練り上げられる。

    ●多少なりとも会社の経営理念やミッション、あるいは企業としてのバリューに共感できるところがあるこそ、その会社で働こうと思うのではないか。

    ●実践ストーリー経営
    ①ストーリーの初期設定 「テーマ」
    ②オリジナリティを作る 「独自性」
    ③ストーリーを構成する 「起承転結」
    ④より細部を描く     「想像力」
    ⑤キャラクターを育てる 「人材育成」


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