参考図書⑯ぶれない軸をつくる東洋思想の力_人生100年を生きてゆくための知恵

今回紹介する本は、「ぶれない軸をつくる東洋思想の力」です。(著者;田口佳史、枝廣淳子)
田坂佳史はビジネス界では有名な方なのでご存じの方も多いと思いますが、あまり知らない方はYouTubeで検索すると、講演会の模様を見ることができます。田坂氏の壮絶な人生経験に基づく考え方は、混迷の時代を生き抜いてゆくためのさまざまなヒントを与えてくれます。
本もたくさん出されていますが、とっかかりの1冊として相応しいと思います。
田坂ワールドは、「すべては導かれている」「死は存在しない」「運気を磨く」などなど読めば読むほど、深みに入ってゆくこと間違いなしです。
私も以前会社で孤立して悩んだとき、いろいろい辛い出来事が続いたとき、ずいぶんと助けられました。
「ぶれない軸をつくる東洋思想の力」から、私の印象に残った部分を紹介します。

●混迷の時代に、まわりの要望や時流に奔流されることなく、自分らしく納得のいく人生を歩んでいくためには、自分なりの確固たる「軸」や「芯」が必要である。東洋思想はそのような「軸」や「芯」を形成していく上で、大きな土台となり、刺激となり、教えとなる。東洋思想とは、儒教や道教をはじめとする中国哲学やインド哲学、日本哲学などアジアで生まれた思想である。スティーブ・ジョブスが禅に傾倒していたことは有名であり、近年シリコンバレーをはじめとする欧米企業では瞑想や禅をベースとしたトレーニングが盛んになっている。西洋近代思想の行き詰まりを打開する可能性を東洋思想に求める人が増えている。私たちの生き方の行き詰まりも打開してくれる力がある。

一日一日自分の振り返りをする。自分の心を省みて、余計なものは省いていく。それを毎日繰り返す。これは余計だなということを省いていくから、とてもシンプルな人間になっていく。毎日毎日のちょっとした積み重ねを続けていくこと、それが訓練である。

●東洋的視点とは、根源、長期、多様。何に対しても、根源、根源、根源と考える。一事が万事、全部根源を探っていくことを続ける。

●生きるコツ、特に就職のコツ;
セカンド能力のところでファースト能力の力を発揮する。帰国女子が英語の職場に就職するのではなく、次に得意なファッション業界で英語を武器にする。

生きていることはトレーニングだと思え、(事上磨練) じじょうまれん
人生にはいろいろなことがあるが、最悪だとか思っていては何の進歩もない。むしろ、それをどう役立てるかが人生なのだ。行動や実戦を通して、知恵や精神を磨くことが大事だという考え方。

人生は陰と陽でできている、人生には「山」と「谷」がある。
成功がよくて失敗が悪い、という価値観はない。
山の前には谷があり、谷の前には山がある、それだけである。
「あの谷があったから、あの山があった」
「あの陰があったから、あの陽がある」 
人生はほとんどがそうなっている。
陰になってすべてがうまくいかないときは「しめた」と思う。自分がなぜうまくいかないか、どうすればいいかじっくり考える時間を与えてくれていると思うと、陰はがぜん貴重なものになる。腐っている暇はない、どうすればいいか、いろいろ工夫してやってみる。いろいろやっているうちに、登り坂に入っていく。
「山」にいるときは、今度は「谷がある」と思わないといけない。有頂天になってやりたい放題やるのではなく、エネルギーを残しておこう、チャンスを残しておこう、谷になった時の手助け用に人間関係をよくしておこう、いろいろ知恵がついてくる。
不愉快というのは自分の心の持ち方である」 不愉快なこと、うまくいかないことがあるから、改善できる。
「スランプがあるから、いまだに現役なのだ」 イチロー
「好況よし、不況さらによし」松下幸之助

経営計画はシナリオである。
こんな面白くないシナリオで、どうして経営や会社が面白くなるのか、どうして売り上げがあがるのだろう。こんな面白くない経営計画で社員はよくやっているね。シナリオでは想像上で思い通り動かすことができても、経営では、予期しない状況が生じる。そこがまたいい。シナリオはまだ死に体であり、現場の異変をいかに味方につけるか。
経営計画がちゃんとしていると、「ここのところで、こういうふうになるんだ」と社員みんながわかっている。詳細については現場に任せて、そのときの創意工夫でやればいい。

●生きるとは生涯現役であること。定年ごときに惑わされて、人生を狂わせることなんてあってはならない。「私はこれをこうやってやるべきだと思う」と考えているから自主性が出てくる、自主的にやったことはキャリアになる。「会社に食わせてもらっているのではない、いつ辞めてもいいが、会社が好きだから支えてやっているんだ」「どちらが主導権を握っているか」「年季の入る生き方」何でも繰り返して、朴訥に素朴に、愚直にやればやるほど、それが年季と化す

自己作品の社会化
自分の作品が社会で認められることが、仕事をやっていることのだいご味である。最大の生きがい。「自分は若いころに、あの商品開発をやったんだ」 それが「メッセージ」である。人生の午後には自分のメッセージをつくっていく。

一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂うるなかれ。只一燈を頼め。(江戸時代の儒学者、佐藤一斉 「この部分については、会社では自分が一番じゃないかな」というものをつくる。次に「業界で一番かな」となって、その次に「日本のビジネス社会では一番じゃないか」と磨き続けていけば、そのうち日本一になる


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