参考図書⑱運命を拓く_中村天風

今回紹介する本は「運命を拓く」です。
中村天風さんは松下幸之助さんをはじめ数多くの経営者に影響を与えた方であり、自己啓発の世界ではあまりにも有名な方です。メジャーリーガーの大谷翔平選手が読んでいるということで一時期話題になりましたので、聞いたことがあるかもしれませんね。

自己啓発というと、興味を持つ人とそうでない人に極端に分かれ、後者が圧倒的に多いように思います。ただ、最近は見えない将来への不安を反映して、ご自身で勉強を始めている方が増えているようにも感じます。ぜひ、ご自身の人生と正面から向き合っていただきたいものです。最近はYoutubeなどのSNSでも簡単に情報を得られる時代ですが、じっくり考えて自分のものとするのは読書が適していると思います。本屋さんには数多くの自己啓発本が売られていますが、その内容はこの本の二番煎じ、三番煎じが多いように感じます。古典というほど古くはないですが、やはり原本となったものに触れた方が、自分の中に残りやすいように思います。

私がこの本を読んだのは30歳の頃ですから、かれこれ30年以上前になりますが、今でも大切にしている言葉、生きてゆく際の判断基準となっているいるものがありますので、いくつか紹介しておきます。

●心の思考が人生を創る
人生の健康も運命も心一つの置きどころ。洋の東西を問わず哲学も宗教も修養法もすべてが「心の持ち方」が人生で一番重要なものとしている

●言葉は人生を左右する力がある
人生は言葉で哲学化され科学化される。この自覚こそ人生を勝利に導く最良の武器。常に言葉に慎重な注意を払い、いかなるときも積極的以外の言葉を使わないように心がける。

●太刀風三寸
腹が立つことがあろうと、悲しいことがあろうと、瞬間に心から外してしまう。気がついたら拭いてしまえばいい。太刀風三寸、すっとかわしてゆくがごとく、心を汚さないようにする。

●齢は関係ない
人間、時が来れば一度は死ぬけれど、しかし活きている間は死んでいないのだから、生きていられれば齢なんか関係ない。いくつになっても、いかなる場合でも自己向上を怠らないようにすることが、自分の生命の本来の理想的な生き方なのだ。

●心の中は常に「晴れて良し、曇りても良し、富士の山」
いつも一切に対してその心の力で苦を楽しむの境涯に生きる生き方をする。現在の生活の状態、境遇、環境、職業、何もかも一切のすべてを心の底から本当に満足し感謝して生きている人は本当に幸福な人である。心の中ですべてのことを幸福にしてしまう。

●心に描く
字を書くのでも絵を描くのでも、1枚の絵を手にしたとき、そこに既に己の描こうとするものの形が紙面に現れていなければ、立派なものは描けない。ただ筆を持って墨をつけていい加減に描いたのではろくなものはできない。なっている姿を心に描いたとき、現実からほど遠いことでも、霊の世界ではもうそれが本当になっているのと同じことになる。

●想像の作用
想像とは過去及び現在の人生経験と全観察とを土台として、それを組織的に合理化して考えるという考え方(心理学)。想像の作用というものが、やがて組織的でしかも現実味を多分にもっと立派な理想の根帯をなし、さらにその結果、宇宙の創作の力と合体して、それを事実化するという実際の様子を多くの人はあまり知らない。

以上紹介した内容は、天風ワールドのほんの入り口の部分でしかありません。
ご自身の人生と向き合い、幸せな人生を送りたいと願う人は、ぜひ一度手に取って見られることをおススメします。

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