参考図書の紹介④自分をいかして生きる

著者;西村佳哲(働き方研究家)、初版2011年。
仕事との向き合い方について、参考になる本です。

たかが仕事や働き方の話がなぜ、人生や生き方、ひいてはあり方といった大げさな話になってしまうのだろう。それは仕事や働き方が、人間の尊厳にかかわる事々として目に映っているからだと思う。

単純な話、「やらされてやっている」ような仕事の累積で社会が出来上がってしまったら、つまらないし、生きている甲斐が感じられない。「こんなもんでしょ」という感覚の中で行われた仕事は、同じ感覚を人にうつす。ある人間の「あり方」が仕事を通じて別の人にも伝播してゆく。

仕事とは、この山全体をいうのである。
どんな成果にもそれを成り立たせているプロセスや下部構造が必ずあって、人はその全体を感じ取っている

供給過剰な市場とその仕事の現場では、コスト減の競争が重ねられている。競争といえば聞こえはいいが、もし低水準に向かう競い合いにすぎないとしたら、そんなことのためになぜ力を賭して働かなければならないのだろう。そもそも勝ったところで、それは成功なんだろうか。チキンレースのリスクをさらに高くしているだけの話なんじゃないか

なにがイケてるか、これからなにが来るか、どう動くのが得なのか。運と頭のいい人は、その思考方法で結果を出せるだろう。でもそれは現状追認の先取りだ。

どんな結果を得るにしても、優れたフォロワーであるより、つまり他の誰かみたいになるより、自分自身を社会に差し出してみる方が、少なくとも後味はいいんじゃないかと思う。こと「自分の仕事」については、誰もが世界代表であり最先端に立つパイオニアだ。取り組んでいる人が他にいないので

クリエイティビティ(創造性)とは仕事の内容より、むしろやり方で、それに対する姿勢、ひいてはあり方に関するものだと思う。世間にはクリエイティブと称される人たちの中にも、「ただ働いている」人も多い。ただこなしてやっているような仕事にクリエイティブという言葉は似合わない。

「〇〇したいけど難しい」という人がいる。「難しい」に力が入っている。難しいけど〇〇したい」という人がいる。「したい」に力が入っている。「難しい」にエネルギーを置いている人は事態を難しくするし、「したい」というエネルギーを置く人は必要なサポートを得る。

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