ISO22000の基礎知識④構築前の前提条件

今回からはISO22000の具体的な中身について解説してゆきますが、その前に前提となる知識を整理しておきましょう。

この図は、代表的な3つのISO規格を並べたものですが、共通している部分が多いことがわかると思います。
これはHLS(ハイ・レベル・ストラクチャー)と呼ばれ、規格の基本構造の統一化が図られています。
以前は規格ごとに箇条や記述の順番、用語の定義などがバラバラでしたが、統一化により一つの規格を理解しておけば、他の規格にも応用が利くようになっています。大きく異なるのは8章の運用だけで、他はISO9001が品質、ISO22000が食品安全と目的としていますので多少の違いはありますが、基本的な構造は同じです。

序文には、次のようなことが書かれています。
食品安全マネジメントシステム(FSMS)の採用は、食品安全のパフォーマンス全体を改善するのに役立ち得る、組織の戦略上の決定である
ISO22000を導入するかどうかは、あくまで組織の判断であるということですね。国や取引先が導入を義務化しているわけではありません。ISO22000に限らずISOマネジメントシステムの認証登録をしている組織の中には、取引先からの要請でやむなく、嫌々?取り組んでいる組織も散見されます。きっかけは取引先からの要請であっても、採用を決定した限りは経営戦略の一環として進めるのが効果的です。

マネジメントシステムの7原則も紹介されています。
この内容はISO22000だけに限らず、組織をマネジメントしていく上での重要な考え方です。ひとつ一つは言われてみれば当たり前のことばかりですが、実際の実行できているか、徹底できているかと問われるとどうでしょうか。皆さんは自信をもって実行していると言えますか。

QMSの7つの原則 | % (qms-sr.com)

FSMSの7原則としては、以下のものが紹介されています。
①相互コミュニケーション
②システムマネジメント
③前提条件プログラム
④ハザード分析、HACCP原則
⑤プロセスアプローチ
⑥PDCAサイクル
⑦リスクに基づく考え方

これらについては以前紹介していますので、今回は省略します。以下のリンクを参照ください。
重要なのは、これらの考え方はマネジメントシステムを構築していく上での、前提条件となるということです。
ややもすると、このような基本的なことはわかったふりをして、なおざりになってしまう組織が多いのではないかと思います。土台のしっかりしていないところに、いくら立派な建物を建てても、砂上の楼閣でしかありません。
人も組織もそうですが、基本を愚直にやり続けることができるところが最後には勝利するのだと思います。

ISO22000の基礎知識③ISO22000 | % (qms-sr.com) 

QMS経営ベーシック⑦PDCAの実践_物事をうまく進めるためのテクニックを紹介します | % (qms-sr.com)

今回は前提条件となるお話をしました、次回から詳しい内容を解説していきます。




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