ISO22000の基礎知識⑨7章;支援②

7章後半の最初は、力量です。力量とはあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、「意図した結果を達成するために、知識及び技能を適用する能力」とされています。要は、その仕事に対する実務能力ですね。まず、食品安全に影響を及ぼす業務について必要とされる「力量」を明確化して下さい。その上で、力量を有した人にその業務を担当させてください。もし、力量をを有している人がいなければ、他から引っ張ってくるか、今いる人の中から適した人を教育訓練して力量を身につけさせる必要があります。
縦軸に必要とされるスキルを入れ、横軸にその部門に所属するメンバーを記入したマトリクスを作成し、力量を有しているかどうかを評価したものを「スキルマップ(力量表)」と言います。このスキルマップを定期的に更新することで、抜け漏れを防ぐことができます。スキルマップの作り方については、別途詳しい解説をしたいと思います。
認識とは、組織で働く従業員一人一人の食品安全に対する考え方です。いくら素晴らしい仕組みを作っても、一部の人だけが知っているだけではうまくいきません。食品安全方針とはどのようなものなのか、自分の仕事が安全な食品を造るためにどのように貢献しているのか、万一ルール違反を犯したらどのようなリスクがあるのか・・・従業員全員に認識してもらう必要があります。
情報も大切な資源の一つであり、情報を入手するためのコミュニケーションも重要です。
外部とのコミュニケーションとしては、例えば食品に関する法律は時代とともに改正されますので、改正情報を漏れないよう入手する必要があります。また、顧客からのお申し出(クレーム)やお褒めの言葉をいただくことがありますが、どこの部署を窓口としてどのように対処するかを決めておく必要があります。外部とのコミュニケーションについては、文書化した情報として記録を作成することも求められています。
内部でのコミュニケーションとは、食品安全に関わるさまざまな情報をいかに社内で共有するかということです。経営者の方針をどのようにして従業員に周知するか、食品安全チームで決定した内容をどのようにして現場で働く人々に知らせるか、逆に現場で発生した変化をどのようにして食品安全チームに伝達するか、具体的な方法を決めておいてください。後から「知らなかった」ということのないように、風通しの良いコミュニケーションが求められます。

以上が7章支援の解説になります。次回からはいよいよ実際の運用に入ります。

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