①QMSに関するリーダーシップとコミットメントの実証
ここでは、経営者としてやるべきことが明確化されています。
ISO9001に取り組む際、番頭さんや部下の方を指名して、後はよろしく、では経営者として失格です。
a)QMSの有効性について、説明責任(accountability)があります。
b)4章で検討した組織の状況や戦略的方法性にマッチした経営方針や目標を作成します。
c)実際の仕事の中でQMS要求事項を確実に満たすようにします。
d)従業員がプロセスアプローチ及びリスクに基づく考え方を積極的に使用するよう促します。
e)必要な資源が確実に利用できるようにします。
f)従業員に対してQMSの重要性を伝え、理解させます。
g)目的である「クオリティの高い経営」を確実に実現できるようにします。
h)従業員が積極的に参加するよう指揮するとともに、活動を支援します。
i)積極的な改善活動を促します。
j)部下である管理層がその責任の領域においてリーダーシップを発揮できるよう、管理層の役割を支援します。
②顧客重視に関するリーダーシップとコミットメントの実証
顧客重視については、建前や表面的な取り組みではなく、組織内に浸透させ実践できることが重要です。
「お客様第一」という看板を掲げながら、やっていることは正反対、では困ります。
③品質方針の確立と伝達
品質方針を作り、従業員に伝えるのも経営者の役割です。
ISO9001の要求事項は「製品・サービスの品質」にかかわる方針ですが、QMS経営では「クオリティの高い経営」が目的ですから、それを実現するための方針を掲げましょう。
その為の条件として、次のような要素を考慮する必要があります。
a) 「クオリティの高い経営」を実現するための戦略的な方法性を指し示すものであること。
b) 具体的な目標を設定する際の枠組みを与えるもの。
c) 要求事項を満たすことに責任を持つことを宣言したもの。
d) QMSを継続的に改善してゆくことを宣言したもの。
④組織の役割、責任と権限
仕事を進めるうえで誰にどのような責任と権限があるのか、明確化しておく必要があります。
「クオリティの高い経営」の条件として、④社内の風通しがよく、社員が生き生きと働いていること、⑤仕事を通じて社員が成長できる環境であることを掲げています。
そのためには積極的に権限移譲を進め、若い人に仕事を任せる環境作りが重要です。
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