QMS経営ベーシック③クレームやトラブルを再発させないしくみが大切です

3つ目の事例はクレームやトラブルの再発防止についてです。
組織を運営していく上で、顧客からのクレームやトラブルは避けられません。
ただし、同じようなクレームが再発していたり、担当者が変わる都度繰り返していたりするのは、勿体ない話です。
顧客からの信頼も失われていきます。
発生したクレームやトラブルを二度と再発させないための方法が、ISO9001では紹介されています。

事例3;トラブルの再発防止
①顧客とのトラブル、業務上のミスなどが発生した場合に、二度と同様のトラブル・ミスが発生しないよう、しくみづくりを行なう。
②ポイントは真の原因の追求。ミスした人を責めるのではなく、どうして発生したのか、なぜ、なぜをくり返して真の原因を見つける。
③是正策(再発防止策)は、人はミスをするという前提で、しくみ(仕事のやり方)としての改善策決定し実行する。
④発生状況、原因分析、是正策など一連の情報は記録としてまとめておく。 3ヵ月、半年後に是正策がきちんと機能しているかフォローアップを行なう。

クレームやトラブルが発生した時に、発生させた本人の責任を追及し、他の人にも注意喚起して終わりという事例をよく聞きます。それでは、時間がたつと、別の人がまた繰り返す恐れがあります。表面上見えている事象ではなく、その裏に潜んでいる本当の原因を追求する必要があります。トヨタ自動車ではなぜを5回くり返す、そうです。原因の原因、そのまた原因と考えていくことで、真の原因が発見できるというわけです。
原因が把握できたら、次に再発防止策を考えます。「気をつけよう」とかではなく、人はミスをするという前提で、仕事のやり方そのものを改善する方法を見つけてください。万一ミスした場合でも後の工程で発見できるしくみにしておくことも大切です。社内で発見できれば、顧客からのクレームにはつながりません。
3ヵ月、半年、実際にやってみて、効果を判断してください。もし同じようなクレームやトラブルが再発しているようであれば、対策が不十分だった可能性がありますので、再度検討します。
ISOの基本のひとつとして、記録をとり保存しておくというルールがあります。人間の記憶は時間がたつと薄れてしまいますし、また嫌なことは忘れたいという心理も働きます。記憶ではなく記録として残しましょう。

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