QMS経営ベーシック⑧PDCAの実践❷DO_目標達成に向けて実行あるのみです

今回はDO(実行段階)について解説します。

【2】DO(実行段階)

❶関係者のコミットメントを引き出しているか
PLANが関係者の腑に落ちているか(納得しているか)ということが重要であると述べましたが、その上で関係者からコミットメント(約束、誓約、確約)を引き出すことが計画を進めるうえで欠かせません。嫌々やらされている、達成できそうにもないが上がそういうから取り組まざるを得ない、では達成はおぼつきません。

❷手順書等は最新化されているか
QMSの基本は「人任せではなく、しくみによる経営」であり、仕事を進めるうえでのルールや方法は文書化しておく必要があります。いろいろ文書化はしたものの、絶えず手を入れて最新の状態にしておかないと、陳腐化して使われなくなってしまいます。また、古いやり方のまま実行してミスややり直しが発生するかもしれません。最新版の手順書を誰でも必要な時に閲覧できるようにしておきましょう。

❸必要な教育訓練が実施されているか
実行役の担当者に必要な力量が備わっていればいいのですが、不足する場合には教育訓練が必要です。実際に仕事をさせながら行うOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)、専門の講師や社外研修によるOFF-JTの両方を組み合わせて実行することで、担当者の戦力化を図ってください。

❹計画した人材は手当されているか
PLANの段階で、必要な資源を明確化し提供することが重要ですと説明しました。今いる人を教育訓練することで間に合えばいいのですが、これまで経験していない分野で大きな目標を掲げた場合には、新たな人材が必要になる場合もあります。計画段階では、こういう人材が必要、と明確化したにもかかわらず手当てされなければ、目標の達成は困難になるのではないでしょうか。

❺改善への意欲は醸成されているか
計画を進めていくうえで、計画通りというわけにはいかない場面も出てくると思います。そういう時に、❶とも関係しますが、積極的に改善しようとする組織風土や文化が醸成されているかどうか、ということです。QMSの7つの原則というコーナーでお話ししましたが、成功する組織は改善に対して継続して焦点を当てています。改善は、組織が、現レベルのパフォーマンスを維持し、内外の環境の変化に対応し、新たな機会を創造するために必須であるとされています。

次回は【3】CHECK(評価)についてです。


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