第三の習慣は、「重要事項を優先する」です。
すべての人にとって、与えられた時間は1日24時間しかありません。睡眠時間を除くと、もっと短くなります。漫然と、ぼーっと過ごしていると、あっという間に時間は過ぎ去ってしまいます。また、何も考えずに忙しさに身を任せていると、忙しく動き回っているけれど結局は何も残らない人生になってしまうかもしれません。あっという間に1日が過ぎ、1年が過ぎ、10年が過ぎ、死ぬ間際になって私の人生って何だったんだろう、と考えてしまうのは寂しすぎます。
そうならないための方法として、コヴィー博士は「重要事項を優先した」時間の使い方を勧めています。
「時間管理のマトリックス」
これは、時間の使い方を緊急度と重要度で区別するものです。
第一の領域:緊急かつ重要なもの、例えば締め切りのある仕事、せっぱ詰まった問題
第二の領域:緊急ではないが重要なもの、例えば健康維持、人間関係つくり、勉強や自己改革
第三の領域:緊急だが重要でないもの、例えば多くの電話やメール、社内会議、報告書、無意味なつきあい
第四の領域:緊急でも重要でもないもの、単なる遊び、暇つぶし、だらだら見るテレビやスマホ、待ち時間
あなたの会社や家庭での時間の使い方を思い出してみてください。会社では第一の領域や第三の領域に多くの時間を費やし、家庭では第四の領域に時間を使っていることが多いのではないでしょうか。
コヴィー博士は、第二の領域を優先した生き方をすべきであると言っています。
緊急ではないが重要なものに優先して取り組むことで、有意義な人生を送ることができるということです。
ピーター・ドラッガー氏は、「大きな成果を出す人は、問題に集中しているのではなく、機会に集中している」という言葉を残しています。
そうは言っても、仕事はどんどん向こうから飛び込んでくるし、しょうもないと思っているけれど会社で決まったことだしやらざるを得ないし、…できない理由はいろいろあると思います。が、それで「主体性を持った」人生を送ることができるのでしょうか。
言っていることは理解できる、ではどうしたらいいかという方には、博士は手帳を使った時間管理を勧めています。
1週間を1日ごとに時間単位で表示した手帳に、まず第二の領域に属する活動をいつ行うか、書き込んでしまいます。毎朝この時間には健康のための運動をする、毎晩この時間はスキルアップの勉強をする、週末は家族のための時間を優先する…。
この作業を通じて、これまでは自分でやっていたけれど、人に任せることができる仕事や責任を発見することも重要です。自分の時間を大切にするためには、重要でない仕事や責任は他の人に任せるしかありません。誰に任せるのが適任か、任せるにはどのようにすればいいか、単なる丸投げにならないよう慎重に考えてください。
そして、手帳に書いたことは自分との約束事として必ず実行する。毎週末1週間を振り返りながら、来週の予定を立てる、という習慣を繰り返すのです。
ただ、あまり最初から欲張ってはいけません。あれもやろう、これもやりたい、と詰め込みすぎて結局は何も続かなかったではいけません。一つでもいいから、続ければ自分の生活に有意義なインパクトを与えるような活動を見つけて取り組んでみてください。1回成功体験をすると、だんだん広がっていくと思います。
なお、本屋さんに行くと、専用の「7つの習慣手帳」が売られています。そこには私が話している内容よりももっと詳しい解説がわかりやすく書かれていますので、初めはその手帳を利用するのもいいかと思います。
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