
今回はフローダイアグラムについて解説します。
フローダイアグラムとは、「プロセスにおける段階の順序及び相互関係の図式並びに体系的提示」と定義されていますが、わかりやすく言うと、その製品がどのような製造工程で作られるかを図式化したものです。
以下の例は、厚生労働省が公開しているパンのフローダイアグラムの一例です。小麦粉やイースト、その他の原材料がどのタイミングで混合され、どのような条件でどのように加工されるのか、一目瞭然ですね。
このように、厚生労働省では業界ごとのHSCCPのモデル例として公表していますので、参考にしてみて下さい。
↓アクセスは以下のリンクから。
HACCPモデル例

フローダイアグラムは作成するのが目的ではありません。次の工程のハザード分析や重要な食品安全ハザードを特定するためのツールです。そのためには、明確で、正確で、十分に詳しいものでなければなりません。具体的には、以下の点に気をつける必要があります。
①作業における段階の順序
②外部委託した工程 (製造工程の一部をアウトソースしている場合、その工程の確認も必要です)
③原料、材料、包材、中間原料等がフローに入る場所
④再加工、再利用が行われる場所
⑤最終製品、中間製品、副産品、廃棄物の搬出場所
フローダイアグラムは製品毎に作成する必要はありません。ある程度、まとめて作成するといいでしょう。
次に、作成したフローダイアグラムを食品安全チームのメンバーで、抜け漏れや間違いがないかどうか、現場確認してください。作成日や現場確認日を記入しておくことも忘れないで下さい。
工程及び工程環境の記述というのは、次のハザード分析のための情報となります。
a)食品及び非食品取扱い区域を含む構内の配置;
b)加工装置及び食品に抵触する材料、加工助剤及び材料のフロー;
c)既存のPRPs、工程のパラメータ、(もしある場合は)管理手段、及び/又は適用の厳しさ、若しくは食品安全に影響を与えうる手順;
d)管理手段の選択及び厳しさに影響を与える可能性のある外部要求事項(例えば、法令及び規制当局又は顧客から
ちょっと難しいかもしれませんが、自社の製品や工程に合わせて、必要となる範囲で検討してください。
以上のような材料が揃いましたので、次はハザード分析となります。
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