QMS経営ベーシック⑥働く環境の整備_働きやすい環境をつくりましょう

6つ目の事例は、「働く環境の整備」です。
労働環境というと、暑い寒い、湿度が高い、騒音がひどいなどがすぐに頭に浮かぶと思いますが、それらは物理的要因と呼ばれています。
ISO9001では、それ以外に社会的要因、心理的要因についても適切な環境を提供することが求められています。
社会的要因とは、組織の問題として、組織内での対立がないこと、差別されないこと、平穏であることなどです。
心理的要因とは、個人の問題として、ストレスの軽減、燃え尽き症候群防止、心のケアなどです。
言われてみれば当然のことばかりですが、ISO9001では昔から要求事項として掲げられていました。私の個人的感覚では、当然のことながら審査の場でもあまり重要視していませんでした。
しかしながら、人出不足が深刻化する中で、今いる人たちにいかに長く勤めてもらえるかを考えたときに、非常に重要な要素であることに改めて気がつきました。たかがISO、されどISO、もともとISO9001は世界中のエクセレントカンパニーに共通する仕事のやり方をまとめたものという説がありますが、やっぱりいいことを言っているなと再認識した次第です。
働く環境を整備し、従業員の満足度を向上させてゆくことは、リクルートにもつながります。よい噂、悪い噂は口コミであっという間に世間に伝わります。いくら表向きの体裁を整えてアピールしても、人の口に戸は立てられません。特にSNSが発達した現代では、隠し事はできません。
50人以上の事業場では「ストレスチェック」が法律で義務付けられていますので、経験されている方も多いと思います。ただ、「法律で決まっているからやっている」のでは困ります。目的を理解した上で、適切に対応する必要があります。これは一例ですが、求められていることは一見地味な活動ばかりです。やっているつもりではなく、従業員の方の意見も聞きながら、実効性の高いものになっているか確認しながら進める必要があります。

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