QMS経営ベーシック⑦PDCAの実践_物事をうまく進めるためのテクニックを紹介します

7つ目の事例は、PDCAです。
PDCAという言葉は世間にあふれており、耳にタコができているかもしれません。聞き飽きて、いまさらPDCA?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。仕事をする上でPDCAは当然だよ、とおっしゃる方も多いと思いますが、本当にPDCAサイクルを回すことでスパイラルアップにつながっているでしょうか。なんちゃってPDCA、やっているつもりになってはいないでしょうか。
ISOに取り組んでいいるのにさっぱり効果が上がらない、という組織はPDCAがうまくいっていない可能性があります。
なお、スパイラルアップとは、ACTION(対策・改善)の内容をPLAN(計画)に反映させることで、マネジメントシステムを継続的に向上させてゆくことを指しています。らせん階段を上っていくようなイメージですね。

PKAN(計画)➡DO(実行)➡CHECK(評価)➡ACTION(対策・改善)

それぞれの段階でのポイントを解説します。

【1】PLAN(計画段階)

❶目標は十分絞り込まれているか、多すぎないか
1年間の計画の中に、あれもやりたい、これもやりたいと、たくさんの目標を入れるケースをよく目にします。レベルの高い目標をたくさん掲げるのはカッコいいですからね。でも、本当に1年という短い期間の間に達成できるのでしょうか。それぞれのお立場で、目標に対する結果責任があります。達成できない場合には、責任を問われるという覚悟をもって計画を立てる必要があります。かといって、できそうなものだけ、でも困ります。どうしてもやるべきこと、優先度の高いものに絞り込んで、「頑張れば達成できる」レベルの目標に対する計画を立てることが大切です。

❷目的と目標のつながりが明確になっているか
以前紹介した「リスクと機会への取組み」の中で、QMS経営研究所が目指す「クオリティの高い会社」では、他社とは異なる製品・サービスを追求し、適正な利益を上げて社員や社会に還元することを目的とすると紹介しました。御社でもSWOT分析などを通じて、将来的にどのような会社になりたいか、明確化しているのではないかと思います。その姿と目標のつながりが明確になっているかどうかが重要です。いろいろいいことは言っているのだけれど、結果的には「売上高と利益が一番の目標」では困ります。もちろん、適正な利益を得て還元することが目的ですので、利益は大切ですが、将来のありたい姿を実現するための目標を掲げる必要があります。目的と目標のつながりを明確化することは、社員のモチベーションに大きく関係します。

❸目標を達成するための手段や方法が具体化されているか
次に、立てた目標をどのような方法で達成してゆくか、具体的に検討する必要があります。いつまでに、だれが、なにをどのようにしてゆくか、予想される障害は何か、できるだけ具体的に考えます。また、それぞれの方法がうまくいったかどうか、達成基準を作っておくと客観的な評価が可能となります。1年間の目標を立てる場合、1年終わって締めるのではなく、半期ごと、できれば四半期ごとに評価できるようにしておくと、途中の進捗状況が確認できて、最後になって慌てることがありません。

❹必要な資源が明確化されているか
大きな目標を達成するためには、当然、経営資源が必要です。。その目標を達成するためには、どのような人材が相応しいのか、資金はどのくらいいるのか、設備機器や情報インフラの整備は必要ないか、などなどを検討した上で、提供する必要があります。この部分を軽視して、これまでの体制のまま大きな目標を立てても、社員の立場からすれば「やってられないわ」となるのではないでしょうか。ただ頑張れの精神論では、目標の達成はおぼつきません。

❺目標や計画が関係者に共有され 、 腑に落ちているか
目標達成のためには、最も重要なポイントかもしれません。会社として目標は掲げているのだけれど、社員に十分理解されていない、社員の多くはどこか冷めた目で見ている、のでは目標達成は期待できません。それぞれの組織には、特有の文化や風土がありますので、どのように目標や計画をたてるべきかは一律でありませんが、関係者が納得して取り組めるよう、進め方を考える必要があります。

長くなりましたので、今回はこれまでにします。
次回はDO(実行段階)での留意点について解説します。

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